残された認知症の親族の生活を安定させたい（遺言による信託）

Ａさん（高齢）には，認知症を発症している同居の妻Ｂさんとの間に，長女Ｃさん（ＡさんＢさんと同居）と長男Ｄさん（Ａさんらとは別居）がいます。

Ａさんは，Ｂさんの「今後も施設には入所せず，最後まで自宅で生活を続けたい。」という希望に沿うよう，Ａさんの死後は，Ｃさんに，Ｂさんの面倒をみて欲しいと考えています。

また，Ａさんは，自身の存命中にＣさんに自宅の所有権を移転させることには，Ｄさんの手前抵抗があります。

Ｂさんが亡くなった後，自宅等の財産が残っている場合に，ＣさんとＤさんとで平等に分けてもらいたいと考えています。

活用例

Ａさんが，Ａさん死亡時に自宅と預貯金を信託財産とすること，信託財産を管理する受託者をＣさんとすること，受託者Ｃさんが受益者Ｂさんに対して預貯金から生活費を渡すこと，信託期間はＢさんの死亡までとすること，Ｂさんの死後には最終的にＣさんとＤさんに財産が帰属することを定めた遺言を作成します。

この遺言によって，Ａさんの死後には，ＣさんがＢさんの面倒をみること，Ｂさんの死後には自宅等の財産をＣさんとＤさんとで分けること，という，Ａさんの希望が実現されることになります。